第5回 ネコが幸せになれば人も幸せになれる

岩合さんの写真と猫を詠んだ俳句が織りなすこの『猫の恋』のほか、岩合さんは猫をずっと撮り続けている。(写真クリックで拡大)

――ネコを通して、岩合さんは何を見ていらっしゃるんですか。

 ネコを通して人の暮らしが見えてくるし、町が見えてくるんです。

 先にも言いましたが、ネコは自分にとって一番居心地のよい場所を選んで、毎日を過ごしているわけです。風通しの良い場所とか、暖かい場所とか。その視点があると、人間の生活環境が本来どうあるべきか、つまりは町づくりもそこから考えられるんです。

 これまで人間は、自然に対抗するようにして町をつくってきています。夏涼しい町、冬暖かい町をつくろうとすればできる。自然に即した暮らし方ができるはずなのに、それを無視してきた。だから、町が住みにくくなってしまっていると僕は思うんです。

 それは、人間が地球の環境を壊していっている一番の原因ではないでしょうか。

――ネコのように、自然を読み取る力を、人間も取り戻せと。

 そうです。その力は本来、人間に備わっている。たとえば、動物や自然を見て「いいな」と思い、心癒やされる瞬間があるでしょう。それは、自分の内懐に秘めている自然の心地よさを感じているからじゃないでしょうか。