第3回 例外こそが大きな喜び

 それまでの僕は、自分が日本にいて思い描いていた動物の写真ばかりを撮ろうとしていたんです。

 たとえば、ライオンの狩りを撮りたいと思うと、そのシーンだけを求めて走り回るわけです。でも、そんなに都合よく撮れるわけがない。自分が空想したイメージで、目の前にある自然をねじ伏せようとしていたわけです。

 思うようにいかなくて「何で撮れないんだ」と歯軋りする、そんな毎日でした。緊張とストレスで気持ち悪くなって、車を止めて吐いたこともあります。

 それが、その日を境に変わりました。あるがままを見よう、受け入れようというふうに。それからは、草木にも目がいくようになったし、一気に肩の力が抜けました。

――岩合さんの写真は独特なコントラストから、海外では「イワゴーズカラー」と呼ばれましたね。

 それはBBCのTVカメラマンが言ったんですよ。「何だ?」と僕のほうが驚いた(笑)。