第3回 例外こそが大きな喜び

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――写真集『おきて』では、ヌーの大移動が大きな比重を占めているようですが、これはあらかじめ想定していたのですか。

 それが物語の中心になっていくだろうなとは思っていました。乾期から雨期への季節の変動も併せて。

――しかし、撮影を始めて3カ月後に岩合さんの自然観を変えるようなことがあったと。

 車が出先で壊れて、歩いて帰ってきたことがあるんです。撮影機材は車に残して、水筒ひとつだけ持って36キロくらい歩きました。

 途中でいろいろな動物を見るんですが、最初に印象に残ったのがキリンでした。高いアカシアの木の葉を食べていたんです。現地では何ということもない光景ですが、それがすごく鮮烈に映ったんです。

 その瞬間、自分は今まで何を見ていたんだろうと思いました。