第2回 “命のつながり”を求めてセレンゲティへ

――公園の中心部、セロネラという村に家を借りて住まれますが、動物は身近に見られるのですか。

 家の前は大平原でトムソンガゼルが飛び跳ねていくし、家の脇のアカシアの木の葉をキリンが食べにくる。そんなところです。

 娘が、外から家に飛び込んできて、ベソをかいているから聞いたら「イボイノシシさんとはお友達になりたくない」というんですね。どうも外で鉢合わせしたらしいんです(笑)。

――撮影では遠くへ行かれるわけですよね。どれくらい移動するんですか。

 撮る動物によってまちまち、というより車のガソリン次第でしたね。

 当時、現地はすべてにおいて物資が逼迫していたので、ガソリンがなかなか手に入らない。何キロ先のここで撮影するためには、何リットルのガソリンを使うかと計算するわけです。それが一番難しかったですね。思うままに走り回るということはできませんでした。

――どのようにして目当ての動物を探すのですか。公園のレンジャーから情報を得るのですか?

 人の情報はあまり信用できません。やはり自分の目で見ることですね。それに、目当ての動物を探すといっても、闇雲に走って行き当たるものでもありませんし。

 たとえば、ライオンを撮りたいと思ったら、ライオンを主人公にして自然を見る。彼らが暮らしやすいところはどこかというふうに。

 彼らは、水を飲めるところがあって、他の動物の動きが見やすい場所をすみかに選びますから、そういう場所を探すわけです。

 チーターなら、彼らは他の動物がいない場所を選びます。ライオンにもハイエナにも脅かされず、トムソンガゼルさえもいない。しかも、見通しの利くところ。そこが彼らにとっての安全圏なんです。