第3章 1901-1920 もっと写真を!

第1回 「なぜ写真を見せてくれないの?」

 今回から第3章です。

 第2章では、これから『ナショナル ジオグラフィック』の起爆剤となるグロブナーが、どのように協会に関わるようになり、そして足元を固めていったかを中心にお話しました。
 この3章では、『ナショナル ジオグラフィック』がひとり立ちをして軌道に乗るまでを紹介したいと思います。

 さて、1901年に入り、ようやく自分の思い通りに雑誌を作れるようになったグロブナーは、『ナショナル ジオグラフィック』の部数を増やすため、さまざまな調査を行っていました。今ふうにいえば、マーケティングというやつです。

 その手段のひとつが講演会でした。協会の講演会は以前から行われていましたが、グロブナーはそれを人気のバロメーターとしたのです。

 会場は1200席もあるワシントンのコロンビア劇場。彼は会場全体を見渡せる位置にいつも座っていたといいます。

 1902年のある日、この講演会で異例の出来事が起こります。

 地質学や地理学の専門的な話では数十人程度の来場者しか入らないのに、1200人の会場が超満員にふくれあがりました。

 テーマは火山の噴火でした。