第4回 すべては地理学だった

 サンゴ礁形成の大きな理論、アフリカのラテライトの形成について、堀さんの研究は進んできた。

 さらに、それらを通じて、手つかずの自然の象徴とすら思われるアフリカでも、「自然」が人間の関与なしには語れないことも分かった。

(写真クリックで拡大)

 こういったことを踏まえて、堀さんが今にして想起するのは、ちょうど東京都立大学の助手になった1968年、日本に返還された直後の小笠原での体験だという。

「小笠原が復帰したときに、都の学術調査隊の最初の調査隊員のひとりとして訪ねたんですね。すると芝生の地面が広がる米軍の基地がまだそのまま残っていたわけですよ。それを見たときに、人間がつくる風景と、これぞ自然という小笠原の自然との対比が非常に際立っていました。さらに日本人が作った畑の痕跡もありまして、人間が手を加えるということが、非常に鮮やかに対照的に目に映ったんですね。同じ場所を与えられても、どういう文化を持った人間がどう住むかによって、風景は違ってくるとしみじみと思いました」