第1回 ナショジオ=「米国地理学雑誌」?

 本連載「研究室に行ってみた。」は、ナショナル ジオグラフィック日本版の公式サイトに掲載されている。本家ともいえる『ナショナル ジオグラフィック』は、アメリカで発行されている世界的に名の知られた雑誌であり、直訳すれば「米国地理学雑誌」ということになろうか。

2011年10月号は表紙もこんな具合。これで「地理学」?
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 しかしこの訳に違和感を抱く人は多いはず。例えば、最新号(2011年10月号)の特集は、「ティーンズの脳の驚異」であり、「地理学」とあまり関係しているように思えない。

 なぜナショジオは、ナショジオなのだろう。全然、地理学じゃないじゃない!

 しかし、地理学ではないと書きつつ、じゃあ、そもそも、地理学ってなんだろう、という素朴な疑問も思い浮かぶ。

 ぼくの頭の中では、地理学はそのまま中高で習った地理に直結しており、まずは「地図帳」のイメージだ。世界の地図がマクロにもミクロにも描かれていて、水陸の地形、気候帯や海流といったものが図示されている。また、世界の都市の基本情報や、川、山などの情報も表になっている、などなど。

 でも、そこから先、たとえば大学でどんな専門領域として研究されているのかイメージがわかない。実際、ウェブ検索しても、日本の大学で純粋に「地理学科」を擁しているところは、数少ない。最近は、地球科学、環境科学の一部門、あるいは、人文系の研究として扱われることも多いようだ。じゃあ、地理学の求心力はどこにある?

 そんな中、日本で数少なくなった地理学科を持つ奈良大学で、まさに地理学の教授が、『ナショナル ジオグラフィック』誌を創刊から全号を揃え、大学図書館で展示会を開いているという話を聞き、ぜひ話を伺いたくなった。