おそるおそるドアをノックすると、この家の主人らしき細身の男性がでてきました。歳は40代でしょうか。半ズボンにポロシャツ、サンダルと行ったラフな格好です。

 とりあえず笑顔であいさつすると、ここが間違いなくホステルだとわかりました。なによりほっとしたのは、このグレッグと名乗るオーナーの話し方や表情がとても明るくて、感じのいい人だったことでした。

 他に旅行者はいませんでした。それなのに部屋がないという理由は、グレッグの友人が4人ばかり、ちょうど週末にかけて泊まりにきているということでした。
 
〈いよいよ本当に誰かの個人宅にやってきたみたいだな……〉

 それでも、リビングでよければ寝ていってもかまわないということだったので、ありがたくお世話になることにしました。

 簡単に自己紹介をして、スーパーの場所や、キッチンの使い方を教えてもらった後、ぼくはいてもたってもいられなくなって、さっそくイリーまでの行き方を聞いてみました。

 すると驚いたことに、なんと、グレッグは数年前にイリーに行ったことがあると言うのです。まわりを森にかこまれていて、人口はたしか3000人ぐらい。ちいさいけれど、すてきな町だったとのことです。友だちと1週間ばかりのカヌーの旅に行ったときに立ち寄ったのだそうです。

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