特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る

その2  端的に言うと「ちょっとビビッていた」

「しんかい6500」に乗り込む直前のワタクシ。このときにはもうビビッておりません。下降気味のお腹の調子が心配でした・・・。
(撮影:海洋研究開発機構 野牧秀隆博士)

こんなシーン、「想像するな」って言われても、「想像しますわな」。まさしく余震が頻発する日本海溝に「わだつみ6500」で、いやもとい「しんかい6500」で、潜航調査するわけですから、安全性の確認は充分するとは言え、映画と同じ運命をたどる可能性はゼロではないです。

むしろ100%安全なところに潜航しても調査の目的は達成できないわけで・・・。
潜る以上は「なるたけリスキーな調査地点! バッチこーい!」なわけで・・・。

端的に言うと「ちょっとビビッていた」

しかしまあ、そのビビリというのは寝る前にちょっと想像するくらいで、思わず汗をかくというほどのものではなかったけれど。むしろ、前夜から微妙に下り坂風味のお腹の調子の方が、ボクにとってははるかに喫緊の課題だった。

「じゃあ、タカイさん、行きましょうか」。頼れるパイロットチバさんのかけ声とともに「しんかい6500」の耐圧殻に乗り込んだ。

つづく(次回、震源の海底で目にしたものは?)

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高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。