特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る

その2  端的に言うと「ちょっとビビッていた」

「しょこたん」サイトは、東北地方太平洋沖地震の震源に2番目に近いシロウリガイコロニー域である。それに2009年に潜航したときの海底の様子が記録・保存されているので、地震後、海底にどのような変化が起きたかを比較検討しやすい。それがこの地点が調査候補になった理由だった。ちなみに震源に最も近いシロウリガイコロニー域は、今回の研究調査では安全が確保できないことを理由に「潜航厳禁地域」になっていた。

ここでの3回の潜航調査では、しょこたんが潜った時には何もなかった海底に、大きな亀裂や微生物マット(微生物が多量に繁殖してマット状になったところ)が見つかった。また、しょこたんが潜った時には、どちらかというとイソギンチャクの仲間が多かったが、今回は「キャラウシナマコ」というクチをビヨーンと伸ばして泥をムシャムシャ喰うナマコの巣窟となっていた。

この地点では地震後の海底環境や生態系の明らかな変化を捉えることができた。ただし、ここは本震の震源からは水平距離で160km程離れていた。つまり「最大海底変動域」ではなかった。

そして、東北地方太平洋沖地震の「最大海底変動域」への潜航が、調査5日目の今日、まさしく行われようとしていたのだった。