特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る

その1  ワタクシの中に「断固たる決意」ができたのです

人やハード面、あらゆるJAMSTEC、いや、日本の持てる科学技術や研究能力を結集して超巨大地震の全貌を調査・研究すべきと主張することに全くためらいがなくなりました。

おそらく多くの研究者達も、ワタクシと同じような葛藤に苦しみながらもそれをおのおのが乗り越え、同じような自分なりの結論に辿り着いたに違いないと思います。

そしてJAMSTECを中心に日本中の研究者と協力して、「地震によって日本海溝の海底下、海底、そして海水中にもたらされた環境変動と生態系への影響」を調査・研究する計画が始まりました。

この調査の結果の一部は、公開され、JAMSTECのホームページに掲載されています。例えばコチラ

また2011年7月30日から8月14日までJAMSTECの研究調査船「よこすか」と有人潜水船「しんかい6500」による調査の速報も、調査終了後プレスリリースを行い、テレビやラジオ、新聞といったメディアで大きく取り上げられました。

プレスリリースの内容はコチラ
調査によって見つかった海底の亀裂の映像はコチラ


(動画:JAMSTEC)

この連載では、「暗黒の深海や海底」に挑むワタクシ高井研の成長や葛藤、情熱といったココロの内面を「やや内側にえぐりこむように打つべし」というのをテーマにしている(と勝手に思っている)ので、調査の結果は、上記の公式発表をごらん頂くとして、この特別番外編では、「地震直後の深海へ潜航する研究者」の心のヒダヒダにフォーカスしたいと思います。

つづく(次回、震源域調査レポート。深海で地震に遭遇?)



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高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。