特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る

その1  ワタクシの中に「断固たる決意」ができたのです

しかし時間が経つにつれ、落ち込みと同時に、「今、日本海溝の海底や深海はどうなっているんだろうか、もしかしてアンナ事やコンナ事になっているんじゃないだろうか」というような科学的な想像や研究イメージ、そして妄想が徐々に湧いてきました。

もちろん「この非常時に・・・、オマエ、アホけ?」と言われたら返す言葉はない、と思っていました。

ただ、純粋に科学者の観点から東北地方太平洋沖地震を捉えた場合、あの超巨大地震は、1000年に1度の自然現象であり、その影響も近代科学が誕生してから調査されたことがない空前のスケールであることは想像に難くありません。この現象を明らかにすることは「科学の義務」と言えるのではないだろうかと、フツフツと思いはじめたのです。

そして、ワタクシを含めたJAMSTECの研究者は、日本を代表する地球と海洋の最先端研究機関の研究者なのです。日本が経験した超巨大地震の全貌を「我々JAMSTECの研究者が明らかにしないで誰がするんだ」と思っていたに違いありません。