特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る

その1  ワタクシの中に「断固たる決意」ができたのです

2011年3月11日、超巨大地震、東北地方太平洋沖地震が日本海溝の深海の海底下で起きました。

繰り返すまでもなくその被害の大きさや影響は国家あるいは社会としてかつてないモノでした。震源から何百キロも離れた横須賀で感じた揺れやライフラインの停止といった直接的な地震の影響だけでなく、その後の原発事故への不安など、緊急に生死に関わる事態に遭遇しなかったワタクシですら、人生最大とも言える大きな衝撃を受けたのですから、地震や津波の被害を受けた地域の方々の経験されたモノは想像を超えるものだったと思います。

1995年の阪神・淡路地震の時、ワタクシは連載にあるようにアメリカのシアトルで「愛と青春の旅立ち」留学中でした(「第2話 その4」を参照)。あの地震では、神戸に住んでいた姉が被災しました。幸い姉は無事でしたが、アメリカで安否をヤキモキしていた時の焦燥感、帰国してから本人から聞いた体験、「地震で人生観が変わった」という言葉は、身近な家族のナマナマしい感覚として、いまも深く心に刻み込まれています。

東北地方太平洋沖地震直後の一瞬は訳も分からずパニックハイな状態でしたが、その後は一週間ぐらい、まるで何も手につかないような状態でした。「この国はどうなるんだろう」と強烈な不安と落ち込みに襲われていました。「こんな状況で研究なんてバカくさくてやってられるか」とも思いました。