その5 世界の人口増が日本に打撃

 こうして日本人は、世界の人口爆発、国内の人口減というダブルパンチに直面する。これに何か策はないのだろうか?

 「私が提案しているのは外国人労働者を受け入れること。具体的には、家事労働の輸入です。台湾では東南アジアからホームヘルパーをどんどん入れることで、彼らに女性の身の回りの面倒を見させ、その代わりに女性を社会で働かせている。これで経済効果を上げた。いずれにしても、今日、生まれた子供が増えたとしても、その子供がまた子供を産むまでに約20年。つまり人口のコントロールには時間がかかる。政府主導で早急に、方策を見つけてもらうしか道はない」

 一方、このまま日本が少子高齢化の道を進んでいった場合。石氏はこんな2050年を予測する。

 「現在の人口ピラミッドは、第一次と第二次のベビーブームのピークがあり、あとは減少の一途。ただしこれが2050年になると、すべての年代が減少して、ピークのない円柱型になる。老人も若者も、みんな同じ数。年齢間のギャップが減って、多くのことがうまく回るかもしれないという見通しもある。ただしそのころ日本は、せいぜい成長率1%未満の低成長国に。そして心優しい草食系があふれる、穏やかな社会になっているかもしれません」

 2050年。あなたは何歳になっているだろうか。

(おわり)

次回は、歴史人口学者の鬼頭宏さん「日本が乗り越えてきた 4つの人口の波」

石 弘之(いし ひろゆき)

1940年生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社編集委員を経て、国連環境計画(UNEP)上級顧問、東京大学大学院教授、駐ザンビア特命全権大使、北海道大学、北京大学客員教授などを歴任。著書に、「名作の中の地球環境史」(岩波書店)、「地球環境“危機”報告」(有斐閣)、「地球環境の事件簿」(岩波書店)、「火山噴火・動物虐殺・人口爆発」(洋泉社)など。


福光 恵(ふくみつ めぐみ)

1960年東京都生まれ。美術業界で働いたのち、フリーライターに。日経新聞プラス1「コトバの鏡」、アスキードットPC「自腹で大人買い」などの連載あり。