その1 世界が注目する日本の少子高齢化

変貌する都市ドバイ(3月号「人類の時代」より)Credit: JENS NEUMANN / EDGAR RODTMANN
(写真クリックで拡大)

「人新世(Anthropocene)」
 そんな、耳慣れない言葉がある。1万5000年前の最終の氷期の終わりから現代までを、地質時代区分では「完新世」と呼ぶ。だが、実はこの時代はすでに終わりを告げ、地球は次のフェーズに突入したと考える専門家もいる。その新しい時代を指す造語が「人新世」だ。

 氷河時代が終わるとともに地球の温度が上がり、農耕が開始されて、地球上の人間が爆発的に増えていった「完新世」。それに続く新しい時代「人新世」は、地球上にあふれ出したその人類が、地球環境さえも変えてしまう時代になると言われている。今年1月から本誌で始まった「シリーズ70億人の地球」によれば、「人新世」は、まだ一部専門家の間でのみ使われている言葉にすぎないという。だが、いずれにしても人類は圧倒的なその数で、氷河期の到来に匹敵するほどのインパクトを地球に与えつつあるらしい。

 しかも、人類の勢力はいまなお拡大している。国連人口部の推計によれば、今年後半、世界の人口は70億人に達する。さらに今なお世界では、毎日20万人以上のペースで人口が増え続け、2050年には100億人を突破するという予測もある。

 農耕が始まった新石器時代、地球の推定人口は全体で400万人。それが1万年の時間をかけて、数千倍にもふくれあがった。もちろん地球の大きさは変わっていない。そして人口爆発による過密都市のスラム化、食糧不足、エネルギー資源の枯渇など、「人新世」の災難はまだ、始まったばかりだ。