第2章 1888-1900 ゆりかごの時代

第10回 『歴史』

 地理じゃありません。今回のタイトルは『歴史』です。『ナショナル ジオグラフィック』は地理の雑誌なのになぜ? と思われるでしょう。しかも『 』付き。でも、だからいいんです。『 』の理由はのちほど説明しますね。

 ダイレクトメールで順調に会員を増やすとともに、協会につなぎとめるため、グロブナーは誌面の充実を図ります。

 彼は考えました。

 読者をひきつけるには、まず“地理アレルギー”をあらためる必要がある。地理はいちばん退屈な科目で、学生はいやいや教わり、卒業してからはできるだけ無縁でいたいと思われていることをよくわかっていました(今も状況はそんなに変わらないのかもしれませんが)。

 そこで、彼は地理関係の本を徹底的に研究します。

 世界各国の地理協会が出している会報誌。そして、地理がカギとなる書籍。たとえば、いわずと知れたダーウィンの『ビーグル号航海記』。進化論を思いつく契機となった航海の記録ですね。それから、ヨットで史上はじめて単独世界一周に成功したジョシュア・スローカムの『スプレー号世界周航記』。

 この人は強烈です。