第2話  JAMSTECへの道 前編

その4  アメリカ留学「ケンはなかなか面白いアイデアを持っている」

それに関連して特に記憶に残っている出来事があった。友人のトム・ハンクス似の博士学生ジム・ホールデン(現マサチューセッツ大学准教授)が、「お前の日本の研究室って何の研究しているんだ?」と尋ねるので、「超好熱菌と赤潮プランクトンと貝毒だよ」と答えると、「ふふん、じゃあどんな論文が出ているか調べてやるよ。お前の指導教官の名前を言えよ」

で、コンピューターをカチカチやると「not found」とか言う文字が出た。ボクは「嘘だろ。じゃあ、XXXで検索してみて」

再び「not found」

機械がおかしいんじゃないかと思って、有名な研究者の名前で検索するとドーンと結果が出てきた。その時のジム・ホールデンの「ふーん、お前の研究室、大したことないね、ふふん。まあ、検索の仕方による部分が大きいけどね」という言葉は、ボクにとってショックだった。
ある意味、この経験が「アメリカ人になめられてたまるか」というボクのヘンな「アメリカ上等!」精神を形成するきっかけになったかもしれない。

そしてワシントン大学海洋学部を選んだボクだったけれど、ジツはワシントン大学海洋学部のことをよく知らずに留学していた。さらに言うと、この学部の凄さを知ったのは、ジツはボクがJAMSTECで働き始めて深海熱水の研究にのめり込むようになってからのことだった。