第14話 いざ! キツネ狩りへ

 ある日、スージーが、かつて高貴なイギリス人たちの遊びだったというフォックス・ハント(キツネ狩り)に行くというので、ついていくことにした。

 キツネ狩りと言っても、ニュージーランドには、キツネは生息していないので、実際は、ウサギを狩ることになる。

 しかも、狩りと称して、実は馬乗りたちの遊びであって、スージーは鉄砲や罠の準備をするわけでもなく、嬉しそうに愛馬をトラックに乗せた。

 多少ややこしいのだが、簡単に説明をすると、
 ここで言うキツネ狩りは、毛皮を取るようなものではなく、家畜を襲うキツネを退治するためのものだった。

 機敏ですばしっこいキツネを、鉄砲で仕留めることは大変に難しかったことから、二十匹ほどの猟犬を放して追いかけさせたのだ。

 猟師たちは、犬たちを操るために馬にまたがり、自由に牧草地から牧草地へと走りまわるキツネと犬たちを追いかけて牧場の柵を馬で飛び越えながら走りまわったという。

 その爽快感が、今も遊びとして伝えられているというわけである。

 だから狩りと言っても、誰も獲物のことなど考えていない。肝心なのは、いかに美しく柵を飛び越えるかということなのである。

 最近は、馬の転倒リスクを考えて、柵のゲートを使うようになったが、それでも参加者たちにとっては、堂々と、よその牧場の中を走りまわることができるのだから、楽しいに決まっている。

 スージーも新聞でこの催しの案内を見つけた時、目をキラキラと輝かせていた。