第1回 50℃超の灼熱地獄をゆく

――椎名さんは世界の辺境へたくさん行かれていますが、今日は炎天下で一段と暑いので、まずはいちばん暑かった場所の話をしていただけますか。

 ぼくが行ったなかでいちばん暑かったのはオーストラリアの内陸部ですね。アラン・ムーアヘッドという作家が書いた『恐るべき空白』という本があるんだけど、19世紀にオーストラリア内陸部を探検したバーク・ウィルズ隊の物語。その探検隊が行った場所です。

 なぜ「空白」なのかというと、当時は人工衛星などないし、オーストラリアの真ん中にまだ誰も行ったことがなくて、何もわかっていなかったからです。ヨーロッパ人がそれまでに到達したのがクーパーズ・クリークという川で、その先に内海があるんじゃないか。そう信じられていて、本当のところはどうなのか確認するのが使命でした。

8月のある日、炎天下の雑魚釣り隊のキャンプにお邪魔して話しをうかがった(写真クリックで拡大)