第13話 ブランド

結局、小屋を壊すことなく救出されたシュバオン
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 ブランドが済んだ頃に、スージーがやって来た。

 シュバオンがウサギの巣穴にハマッて以来、私は、スージーの大胆さに、恐れをなして、へろへろしていた。

 結局、チェーンソーを振り回すスージーを説得して、倉庫小屋を壊さずに穴を掘り広げて、シュバオンを救出したのだけれど、あれからシュバオンは、胴まわりをしぼるために強制的にダイエット(飯半分)させられることになり、他の犬たちは当分、自由解放禁止処分となってしまった。

 そんなスージーが、子馬たちのしつけの様子を見に来たのだ。

「子馬たちは、人間と一緒に、歩けるようになった?」彼女は聞いた。

 実は、子馬たちにリードロープを付けて、一緒に歩く練習を毎日していたのだけれど、成績表を付けるならば、

 ニーナは、成績2、授業態度が悪く、落ち着きがない。

 シンコーも、成績2、ぼんやりとしていて、集中力がない。

 といった感じである。いやはや、こんな子馬たちの様子をスージーが知ったら、今度はマシンガンが出てくるかもしれない。

 子供の頃から馬と一緒に暮らしてきて、馬の扱いには慣れているスージーが、子馬たちのリードロープを持つことになった。

 まずは、シンコーのロープを持つ。ぐいぐいと歩かせようとするが、シンコーは、きょとんとして、「なに? なにしてんの?」という感じで動かない。

 スージーは、「この子は鈍感過ぎる」と嘆いていた。

 次に、ニーナである。ニーナは思いっきり抵抗して、スージーを跳ね飛ばさんばかりに暴れた。

 そのロープをぐいっと握り締めると、またもスージーの腕の筋肉にスジが立った。そして、彼女は、ニヤリと含み笑いをする。

 おっと、これは……まずい。私はのけぞった。
 私はもはや、シュワルツェネッガー化するスージーの腕の力こぶを見ると、条件反射のように、意味もなく、ドキッとするようになっていた。

 すると……、
「いいね。ニーナは、いい馬になる!」
 そう言って、嬉しそうに家に帰っていった。

 競走馬として歩み出した、二頭の奮闘は、まだまだ続くのであった。

つづく
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