第3回 ドイツにみる林業の未来像

循環する森づくり「百年の計」

「今の日本の林業に必要なのは、100 年先を見据えた森づくりのビジョンです」。こう語るのは、「森林・林業再生プラン」の策定に深く関わった内閣官房国家戦略室内閣審議官の梶山恵司氏だ。

「日本には戦後の植林によって生み出された豊富な森林蓄積がある。今こそ、この森林資源を活用した持続可能な林業の基礎をつくり、地域に立地する内需型産業を育てるときなのです」

 とはいえ、循環する森づくりへの道は平たんではない。「そもそも日本には、林道網の整備方法や間伐・運搬などの施業技術といった、林業に必要な知識や理論が体系化されていません。なければこれからつくるしかない。日本の林業は明治維新と同じ。まさにゼロからのスタートです」と、梶山氏は覚悟を見せる。

 林業の基盤を整備する上で、参考になるのがドイツだ。この国も日本のように2 度の大戦で国土が荒廃した上、戦後の賠償のために大量の木が切られる憂き目にも遭っている。だがその後は、林業の再建に向けてインフラを着実に構築していった。

ドイツでは先進的な林業機械を使って生産性の高い林業が行われている。 機械が倒木を運び出しやすい方向を定めてチェーンソーを入れる。
CORBIS/AMANAIMAGES
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