第3回 「ダークマター」をつかまえろ! 宇宙の謎を解く鍵を求めて

 われわれの銀河系の中では、星々の誕生から死にいたるまで、さまざまなドラマが繰り広げられています。前回紹介したように、ハッブル宇宙望遠鏡は、生まれたての「星のたまご」や、死を目前にした星たちの不思議な輝きを、これまでにない鮮明さでとらえてきました。

アメリカの天文学者エドウィン・ハッブル(1989-1953)。若い頃は陸上やボクシングで活躍、数学や法学も修める多才ぶりを発揮したが、のちに天文学の道へ進み、現代のいわゆる“ビッグバン宇宙論”の基礎を築いた。
(NASA)

 そしてハッブル宇宙望遠鏡が見つめてきたのは、われわれの銀河系だけではありません。同じような星の大集団である、さまざまな銀河の世界、そしてそれらが果てしなく続く深宇宙の世界にも、鮮烈な画像とともに、数々の新発見をもたらしてきたのです。

 ハッブル宇宙望遠鏡の名は、天文学者エドウィン・ハッブルにちなんでいます。
 ハッブルは、この宇宙が膨張していることを示しました。あらゆる銀河は遠ざかっていきます。そして、遠くの銀河がわれわれの銀河系から離れていく速さは、その銀河までの距離に比例するのです(ハッブルの法則)。
 この法則の比例定数(ハッブル定数)を高い精度で求めることが、もともとハッブル宇宙望遠鏡の使命のひとつでした。