第12話 シュバオン救出事件

 よく考えてみると、この犬たちには、犬用ビスケットと直径十センチの巨大ソーセージのようなものを輪切りにしたものを、一日一回あげているだけだった。

 この餌は高タンパク質、マルチビタミン添加という栄養たっぷりの、高品質ドッグフードであるから、栄養失調になることはない。が、犬たちは、常にお腹を空かせていたのだ。

 犬たちにとって、一日一回では、お腹を満たしたい欲求が募って、飼い主たちの知らない間に、自給自足型ドッグ、サバイバルドッグにしてしまっていたのだ。あくまでも私の想像であるが。

 これは、まずい……。

 餌を増やしてやるべきか、空腹を我慢させるべきか? スージーに尋ねてみると、「餌は十分やっている。増やす必要はない」と言った。

 では、彼らにウサギを追う時間を十分に与えてあげよう。

 自分で腹いっぱいウサギを食べてくれば、餌代も安上がり。それに、牧草地のウサギ駆除にもなる。一石二鳥ではないか! いいアイディアである。

 スージーとガス玉作戦を決行したものの、ウサギ全滅までには至っておらず、またあちこちで、新しい穴を掘っていたのだ。

「犬たちよ~、思う存分、ウサギを食べてくるがいい~!」

 私は犬たちを自由に放した。

 さっそくクリスティンはすっ飛んで行き、シュバオンは、ドカドカと歩きながらニオイを嗅ぎまわっていた。

 オオカミ化するジャーマンシェパードのザビールは、 今では私の横で歩くことを覚えて、常に私と一緒にいる。
 ウサギは獲物として認識してもよいが、羊はダメだぞ~っと、よーく言って聞かせてもおいたのだ。

 犬たちを放している間に、子馬たちの馬房の掃除や餌場の整理、フェンスの弱くなっている部分などの修理などを済ませた。

 すると、スージーが鼻息を荒げてやってきた。
「シュバオンが、スタックしている」と言う。

「え?」

「倉庫小屋の床下のウサギの巣穴にもぐり込んで、出られなくなっているのよ!」

「えええ?」

「早く出さないと、窒息死するわ!」

「えええええええええ!」