第6回 輝かしいコガネムシ

クリシナ・クリサルギレア(甲虫目:コガネムシ科:スジコガネ亜科)
Chrysina chrysargyrea
体長:25 mm 撮影地:カルタゴ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 中米特有の昆虫、プラチナコガネ。全部で100種ほどが確認されていて、コスタリカには22種生息している。

 「これだけ目立つ色をしていて大丈夫なんでしょうか?」とよく質問される。
 大丈夫だったからこれまで生き延びてきているわけだけれど、実際のところ、これだけ目立っているにもかかわらず、その生態はまだほとんど明らかになっていない。夜行性だということはわかっているが、それならこの輝かしいメタリック色の役割は何なのであろう?

 プラチナコガネの色は、色素の色ではなく、構造色という、光の干渉によって再現される色である。表皮の構造の極微細な違いで、色が変わる。上の写真のプラチナコガネは、なんとも言えない赤っぽい金色。同じ種でも、普通の金色や銀色のものもいる(下の写真)。昼間は樹上の葉の裏なんかで休んでいて、周りの景色を自分の体に映し込み、森の中に溶け込んでいるのであろう。

 ただし、自然の恩恵を踏みにじる違法な乱獲が横行している今の時代に、これだけ目立つ色をしていることは、やっぱり大丈夫ではない。

クリシナ・クリサルギレア(甲虫目:コガネムシ科:スジコガネ亜科)
Chrysina chrysargyrea
金色と銀色のもの。鏡のように周りの景色を映し込んでしまうので、撮影するのが難しい。カメラのレンズがしっかりと翅の部分に黒く写りこんでいる。宝石や貴金属を美しく撮影する技術を学ばなければ・・・・・・(写真クリックで拡大)
体長:25 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ

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西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html