人間にそっくりな、自分で考え行動するロボットが誕生しつつある。共に生きる覚悟はできている?

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ロボットと人間の未来

人間にそっくりな、自分で考え行動するロボットが誕生しつつある。共に生きる覚悟はできている?

文=クリス・キャロル  写真=マックス・アギレラ=ヘルウェグ

 自分で考え、自分の意思で行動し、人間と心を通わせる……。そんなロボットが世界各地の研究室で生まれようとしている。

 展示会でコンパニオンを務めるアンドロイドやサッカーに興じるロボットはすでに登場しているし、さらに、家事労働や子守り、高齢者の介護まで行う高度なロボットが開発され、私たちと暮らしをともにすることになるという。

 ロボット工学の世界に、「不気味の谷」という概念がある。40年以上前に日本のロボット工学の先駆者、森政弘が提唱した。その谷とは、人々は人間に似た、人間的な動作をするロボットにある程度までは好感を抱くが、姿も動作も人間そっくりなのに、微妙に人間と違う点に気付くと、その好感がいきなり嫌悪感に変わるという境界を指す。多くのロボット工学者がこの危険な谷に踏み込もうとしないが、あえて谷を越えようとする研究者もいる。大阪大学の石黒浩教授はその一人だ。自分そっくりの分身ロボットを開発し、人間とロボットの境界を越える研究に挑んでいる。

 ロボット工学の最前線を取材し、ロボットと人間の未来を見つめる。

 私たちはロボットたちと生きる覚悟ができているのだろうか?

編集者から

 本誌「もっと、ナショジオ」でも取り上げていますが、この特集に登場するアンドロイド、ユメちゃんの妹分に会ってきました。写真では分かりづらいのですが、手足はきちんと血管が浮き出ているなど、かなり精巧な作り。ヘアメイクは人間のプロの方が手掛けていて、きちんと流行を押さえて都度変えているのだとか。現在、最新型の「F」まで入れると4姉妹になり、担当者のお話では、彼女たちの“追っかけ”も存在するそう。2次元と3次元の狭間にいるアイドルという感覚なのでしょうか? でも、そんな話に驚いていた我々スタッフも、気がつかないうちに彼女を「この娘(こ)」と呼び始め、完全に感覚が麻痺してきました。ああ……危ない、危ない。もうここまできたら、「江口愛実」をモデルにした末っ子を、ぜひ。(編集 H.O.)

参考資料:『ロボットとは何か――人の心を映す鏡』石黒 浩 著 講談社
アンドロイド研究の第一人者、大阪大学の石黒教授が語るロボットと未来。自身のロボット研究の過程をたどりながら、「ロボットとは何か」、引いては「人間とは何か」というテーマを追求していきます。文系の人にもおススメ。特集で登場するさまざまなロボットの詳細や写真も見られますよ。

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ナショジオクイズ

1947年にこの洞窟付近で見つかった、最古の聖書写本を含む死海文書。紀元前70年前後に隠したとみられていますが発見された当時の状態は?

  • 羊の胃袋に巻かれていた
  • 川に沈められていた
  • 壷に入っていた

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