だから何? と言われると困っちゃうんですが、まあ、科学者というウザイぐらい好奇心だけは研ぎ澄まされている人種は、そこにめちゃくちゃ興味を持ってしまうモノなのです。

鶏の卵のタンパク質だろうが、超好熱菌のタンパク質だろうが、材料は20種類のアミノ酸で、それが順番に繋がっているだけ。なのに、一方は100℃でもはや全く機能を失った変性タンパク質。一方は「100℃サイコーだぜ。バリバリ」と機能しまくり。
アミノ酸を繋ぐ順番だけでここまで差がつくなら、「ムフフフ、もしそれを理解すれば、自分だけのお好みのタンパク質が創れちゃうんじゃないの」とある種の人たちがニヤニヤ考えてしまうのは、皆さんもあながちすんなり、理解していただけるのではないかと。

またそんなに高温でも丈夫で長持ちするなら、それをうまく使えば「カネも地位もオンナもクスリも思うがままよ」とうっかり狸の皮算用しちゃう粗忽者が現れてもおかしくはないです。勿論このセリフは「ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 法の開発によって1993年にノーベル化学賞を受賞」したキャリー・マリスという化学者を指して言っているんですがね・・・・・・。

この化学者の破天荒ぶりは『マリス博士の奇想天外な人生』(キャリー・マリス著、福岡伸一翻訳、早川書房)に詳しいのでぜひ一読をオススメしますが、このPCR法の開発のキモになったのが、好熱菌や超好熱菌の高温で壊れずにバリバリ働くDNAポリメラーゼというタンパク質だったのです。
(解説終わり)

どこからか謎の天才科学者が解説に現れたが、そんな風に、超好熱菌の研究というのは、「生命の起源や太古の生命」といった面からだけでなくて、生化学やその応用面、もちろん分子生物学的な意味からも、結構いろいろ興味を集めている研究対象でもあったんだ。

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