第9話 アニマルキッズと羊の勉強

「あの頃は、子供たちと、よくつかみ合いのケンカをしたわ」

 と言うスージーは、今では子供たちの良き母親役であり、親友のような存在である。

 ということで、私は、この多感な子供たちと、一緒に暮らすことになった。

 これから、しっちゃかめっちゃかに本性を出して暴れるに違いないが、私もいい友になれるように努力していこう。

 と思ったのに……、

「や~い、クラッピージャパニーズ、べ~(うんこたれってことね)」

 とジョシュは、ダッシュで逃げていくし、ケイティーは、「お酒ないの? 煙草持っていないの? 大人じゃないわね~」と大人ぶっている。

 ある日の午後など、群れから離れて柵の外に出てしまった羊を捕まえに行くと、犬たちは全然役に立たないし、走ってもその羊に追いつけないし、あごを出して、汗だくになって、「はあはあ」と息を切らしていると、その様子を見ていた子供たちが、遠くから大声で笑っていた。

「笑ってるなら、手伝って~」
 と、お願いをして頭を下げると、ジョシュはモンキーの真似をしていた。ケイティーは、「ぎゃっはっは」と品なく笑い続け、ベンは、「俺は、殺しに忙しいのだ」と言って立ち去っていった。

「も~、学校の宿題もないくせに~」

 ニュージーランドの学校は、本当に宿題がないのだ。
 すると、子供たちが、
「ここは羊の国、ニュージーランドだよ。羊の勉強が足りないな~」
 などと、こしゃくなことを言うのだ。

「なに!」

 というわけで、私はさっそく羊の勉強のために、近くの観光牧場に行ってきました。

つづく
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