第2回 遊びたおそう!
亀井さんが「弟子」として、「一緒に遊んでもらった」体験をもう少し詳しく聞こう。
例えば、釣り。実はぼくは、釣りを趣味といえないまでも、息子とのコミュニケーションになくてはならないイベントとして重宝している。ここでは、異文化、それも狩猟採集民の子どもたちの遊びとしての釣りとはどんなものかと興味津々だ。そもそも、どんな仕掛けで、釣るのだろう。テグスや浮きや針はどうするのだろう。
「浮きはコルクみたいな植物のズイみたいなのがあるんですね。で、糸と針は、工業製品として売っているものを使ってましたね。金属の針と、それから釣り糸。日本でもよく見るようなやつです。狩猟採集民だからといって、近代的な工業文明と無縁かというとそうではなくて、川や森へ入って自然のものをとってくるという基本的なスタイルはあんまり変えずに、便利なものは交えながら暮らしてますね」
とはいえ、いつもいつも釣れる、というわけでもなさそうだ。
子どもらしく、すぐ飽きてしまって泳ぎ出したり。それじゃ、魚は逃げるだろうと思っていると、案の定、魚は釣れずに、結局、捕まえたのは、餌のミミズだけだったり、ということもあるらしい。
もちろん釣れることもある。その時には、葉っぱにくるんで蒸し焼きにして、参加していた全員で分け合う。亀井さんも、同行していれば、ご相伴にあずかることになる。
時に、大漁!があれば、集落に持ち帰り歓迎されることもありそうだが、亀井さんの観察ではそういうシーンは少なかったそうだ。子どもは放任され、釣れなくても「あはは、だめだったか」といったふうにあしらわれていたとか。