第1回 めくるめく遊びの世界

 参与観察という研究方法だ。自ら、同じことを体験しつつ、観察するというスタイル。

「いわば、子どもたちの世界に弟子入りして教えてもらったんです」と実に楽しそうに言う。

「子どもがキャアキャア言いながら森の中を転がるように駆けていくのを、私もちょっと転んだり擦りむいたりしながら一緒に行くと、ああ、こんなとこに小川があったのとか、ここに実は罠の針金を隠してあるんだとか教えてくれるわけです。そういうのってやっぱり子ども達についていかないとわからない。計画的に調査しているわけでなく、もうその魅力に惹かれるまま、ずるずるっと深入りしていった感じですね」

 アフリカ・カメルーンのピグミー系狩猟採集民の参与観察研究。

 書いてしまうと字面はいかめしい。しかし、テーマはなにしろ「子どもの遊び」である。研究について伺ううちに、亀井さん自身が紅潮し、みずからの子ども時代の楽しい思い出を語るようにすら見え始め、聞いている側にも伝染してどんどん楽しい気分になる不思議なインタビューとなった。

愛知県長久手の愛知県立大学にある亀井伸孝さんの研究室。撮影のために、現地で手に入れたアフリカの民族衣装を着てもらった(写真クリックで拡大)