第1回 めくるめく遊びの世界

「ノブウ、ゴイ!」(ノブウ、行くぞ!)と子どもたちが誘う。

 誘われるがままに、子どもたちについて森の中へ入る。

 そこで始まるのは、子どもたちの遊び。大人たちの真似をして、弓矢で獲物を狙うかと思えば、すぐにころっと気が変わって、キノコを探し始めたりする。

 釣り竿を持って意気揚々と出かけたかと思うとミミズ掘りに熱中したり、たまに魚が釣れると蒸し焼きにしてみんなで分け合ったり。

 様々な植物の枝や葉でドーム型の家屋を創り上げる大人をまねて、その辺にある木の枝をナタで切り落とし小屋を作ってみたり。

 最近、集落でも時々見られるようになった自動車を模して、下り坂に棒をいくつも並べてその上を滑り降りるソリのような遊び「モトゥカ」に打ち興じたり。
 
 これは、アフリカ中部・カメルーンの森の中の集落で、ノブウ、こと、亀井伸孝さんが体験した日常の風景。文化人類学者である亀井さんは1996年から98年にかけて、ピグミー系の狩猟採集民バカの集落に滞在した。

 集落の子どもと行動を共にするうち、目の前に現れる数々の遊びに目を奪われ、魅了された。自然とフィールドノートは、「遊び」にまつわることでいっぱいになっていったという。

カメルーンの集落”バカ”の子どもたち(写真クリックで拡大)
左端が当時の亀井さん(写真クリックで拡大)