第1話 実録!有人潜水艇による深海熱水調査の真実

その4  その瞬間、全身に稲妻が走った

しんかい6500の特等席、一番真正面の観察窓を見ながら操縦しているヤナギタニさんが、「あー熱水が噴いてるの見えましたー!」とやや興奮気味に伝える。

それを聞いて、海底をずっと眺めてたボクは、カメラモニターに目を移し、ヤナギタニさんが見た熱水チムニーにカメラを向け、アップにして映し出す。

観察窓から見えるチムニー!
(提供:高井研)

「おー、噴いてる噴いてる。いいねえ、いいねえ」などとはしゃぎながら、 「よし、じゃあ、もうそのまま前進して、今の角度でいいからチムニーの真ん前に着底して」、「まずチムニー採って、大きくなった熱水の噴出口から採水します。順番は保圧2本行きます(採水器の名前)」と、的確な指示を速やかに飛ばす。

このあたりは、ボクはさすがなのだ。ベテランなのだ。しっかりしているのだ。すばらしいのだ。

ヤナギタニさんが熱水チムニー前50cmのところにしんかい6500をベタ付けしようとしている間、海底を観察する。「うーん、むっちゃいろんな熱水生物がいるぞ。イソギンチャク、シンカイミョウガガイ、ヒバリガイもいる、ゴカイの仲間もいる。リミカリスとコロカリスというインド洋に典型的なエビもたくさんいる。なんか気色悪いくにゃくにゃのみたことない寄生獣もいるぞ(漫画の題名です。気にしないで下さい)。よっしゃ、よっしゃ、いい感じ」。そんな感じでどんどんアドレナリンが沸騰して来るボク。

観察窓から見える寄生獣。白くてぷよぷよしたきしょいヤツ。
(提供:高井研)