第4回 写真家ジム・ブランデンバーグ 後編

 無茶な願いであることはわかっていました。

 何のつてもなく、英語もろくに話せない日本人のぼくが、遠い異国で活躍する写真家に弟子入りを志願するなんて。我ながらとんでもないことを思いついたものです。

 でも、思いは真剣でした。ぼくはこれまで、写真について学んだこともなく、写真部にいたことすらありません。ましてや、写真を仕事にするということがいったいどういうことなのか、まったく想像もつきませんでした。
 だから、できることなら、心から尊敬できる写真家のアシスタントになって、写真のこと、仕事のこと、そして自然のことを、いろいろと教えてもらいたいと思っていたのです。

 可能性がゼロかどうかなんてやってみるまで誰にもわかりません。
 どうせ1回きりの人生です。ダメもと……それぐらいの挑戦をしないと、人生なんて面白くなりようがないと思っていました。

森林性のトナカイ、ウッドランド・カリブーが朝焼けの湖を泳いでゆく。