――西原さんは、デビューが成人雑誌、いわゆるエロ本ですね。美大(武蔵野美術大学)を出ているのに。

 絵が下手でしたからね。美大出のプライドなんかなかった。でも、プライドがなかったことが、社会に出ていくのに一番役に立ったと思っています。

 働きながら美大に通っていて、20歳くらいのときに、エロ本出版社に絵を持ち込んだんです。大手じゃ使ってもらえないとわかっているから。

 じゃ、どこなら使ってもらえるか。エロ本なら1カット800円で、その日からでも使ってもらえる。でも「美大生なのに、何でこんなに絵が下手なの」と言われました(笑)。

 仕事はいくらでももらえたし、当時のエロ本はカウンターカルチャーっぽい面もあって、ヘアヌードのページ以外は何をしてもいいという感じだったんです。絵が下手なので同情して、まわりの人がいろいろアドバイスしてくれたし。私のマンガは全部、まわりの人に教えられてできてきたんです。

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