世の中、こうなっているんだ。こういうことが起きているんだ。それを文章で伝えるのはすごく難しい。でも、写真だとすぐにわかる。マンガ家もその点は有利なんです。1コマ、一言で表現できるから。
 地球の裏側にある現実を、1枚の絵にして持ってきてくれるカメラマンのすごさ。頭が下がります。よく撮ったな、よく寄ったなって。

 報道カメラマンもそうですよね。長倉洋海さんの『マスード』(※)を見ると、反タリバーンの戦士がユキヒョウみたいに見える。ネイチャーカメラマンですよね、あれも。

――90年代の作品『鳥頭紀行』以降、西原さんはよくアジアへ旅行されていますね。

 アジアは好きで『鳥頭紀行』の以前から行ってはいたんです。あのシリーズで、元夫(鴨志田穣、フォトジャーナリスト、故人)と知り合って、さらにハマってしまうんですけど。

 最近は子どもを連れていくようになりました。でも、子どもたちはチョー嫌がってます。「カレー食べるぞ」と言ってインドへ行ったり、「今夜は焼肉だあ」と言うと韓国にいたりするから(笑)。
 日本一周ドサ回り取材をしていたとき、博多でラーメンを食べていて「お母ちゃん、ここインドだっけ?」と子どもに聞かれたときは、さすがにコケた(笑)。

――では、取材旅行の話をうかがっていきましょう。

つづく

※『マスード―愛しの大地アフガン』長倉洋海 河出書房新社。アフガニスタンの自由と解放を求め戦い続けた、反タリバーン連合最高司令官マスードの記録。土門拳賞受賞作。

西原理恵子(さいばら りえこ)

マンガ家。1964年、高知県生まれ。武蔵野美術大学卒。同校在学中の1988年『ちくろ幼稚園』でデビュー。97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞。2004年、主婦の日常を描く『毎日かあさん(カニ母編)』(毎日新聞社)で文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を受賞。05年には『上京ものがたり』『毎日かあさん』で第9回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。現在、「毎日かあさん」(毎日新聞日曜版)「まさる&りえこの週刊鳥頭ニュース」(週刊新潮)「西原理恵子の人生画力対決」(ビッグコミックスペリオール)ほか多数の連載を抱え活躍中。公式ホームページ:「鳥頭の城」


高橋盛男(たかはし もりお)

フリーランスライター。1957年新潟県生まれ。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。

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