- JULY 2011 -

アラスカの食を守った男

作物に恵まれない米国アラスカの大地で、1.5メートル以上にもなる大きな作物がある。1700年代にロシアの貿易商によってこの地にもたらされたとされるタデ科の植物、ルバーブだ。

20世紀初め、アラスカ州スキャグウェーのヘンリー・クラーク(写真、1921年撮影)は、巨大なルバーブを育て、“ルバーブ・キング”の名で知られた。彼が持っているのは、ルバーブの茎(葉や根には毒があるので、茎のみが食用となる)。

カナダ・ユーコン準州でゴールドラッシュが起きた際、一獲千金を夢見てこのあたりにやって来た人々がビタミンや繊維の補給源にしたのが、ルバーブだった。この最北の地では、新鮮な野菜や果物は他にほとんど手に入らなかったのだ。

クラークが育てたルバーブは今も、かつて彼の農場があった場所で園芸ビジネスを営むシャーロット・ジューアルのもとで立派に育っている。「私たちの町は、ルバーブで有名になりました。すべては、ヘンリー・クラークが始めたことです」とシャーロットは言う。

文=マーガレット・ザコウィッツ

写真=Asahel Curtis, National Geographic Stock