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ナショナル ジオグラフィック日本版 2011年7月号
エジプトの首都カイロのタハリール広場で反政府デモが繰り広げられていた2月初旬、写真家のリンジー・アダリオはイラクを取材中だった。首都バグダッドの街を歩くと、理髪店の店主(上、ピンクの服の男性)と客が、テレビでエジプトのニュースを見ていた。「ムバラク政権の崩壊をテレビで眺めているなんて、耐えられませんでした」とアダリオは話す。「私は中東と南アジアを11年間も取材してきました。何かが起きると、現場に行って自分の目で見てきたんです」――マーガレット・G・ザコウィッツ
そして、アダリオは現場に向かった。
バグダッドでの取材を終えてから数週間、アダリオはアフガニスタン経由でエジプト、バーレーン、リビアに入り、民主化運動を目の当たりにした。
だが、3月15日、『ニューヨーク・タイムズ』紙の仕事でリビア北部のアジュダービーヤー近くを移動中に、事件は起きた。アダリオは政府軍に銃を突きつけられ、仲間の記者ら3人とともに拘束されて、3日間連れ回された。その間、手足を縛られ、目隠しをされることも多かったという。暴行や虐待に耐える日々が続いたが、最後には、解放に向けた外交交渉が進む首都トリポリへ飛行機で身柄を移された。
そして3月21日、4人はチュニジアとの国境を越えた地点まで移送されると、そこで無事解放された。
かつて米軍兵士としてイラクに派遣されていた筆者がバグダッドを再訪。生まれ変わった街に出合った。
Q:2020年、東アフリカを襲ったバッタの大量発生。一つの群れは最大で何匹になったでしょうか?
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