第5話 優秀なパートナー? 牧羊犬トリオ登場!

 放牧地に着くと、羊たちは平和そうに、てんでばらばらになって草を食んでいた。お腹がいっぱいで、寝ている者たちも多い。
 私は、柵の扉を開けて、犬たちを、「それ行け!」とばかりに放した。
「さあ、仕事だぞ!」
 すると、びゅーっと、クリスティンが突っ走っていった。おー、よしよし。
 次に、ザビールが走っていく。よしよし。よしよし。
 シュバオンも、短い尻尾をちょこちょこと振りながら、ガニ股でドカドカと行った。

「その調子で、羊たちを集めてちょうだい」

 ところが……、
 ふと目を離した瞬間に、真っ先に走っていったクリスティンの姿がないのだ。
「あれ?」
 羊たちに紛れているのかと、目を凝らして広い草原を見渡してみた。しかし、いない。

 クリスティンの代わりに、ザビールの姿が目に入った。
「あれ?」
 なんだか、おかしな行動をとっている。まるで獲物に狙いをつけているように、腰を低くして、匍匐前進をしているのだ。

「こらー、何やってるんだ~?」
 私は走った。
「獲物じゃないんだぞー」
 次の瞬間、私の走る足が止まった。シュバオンの大きな尻が、目の前にあるのである。

 ウサギの巣穴に頭をつっ込んで捕まえようとしているらしく、尻だけを突き上げて、短いシッポをフリフリさせているのだ。
 なんだ~、そのオマヌケな格好は?
 むむむむ!
「お・ま・え・た・ち~」
「何やってんだ~、ちゃんと働け~~~~~!」

つづく
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