第5話 優秀なパートナー? 牧羊犬トリオ登場!

 仕事のパートナーができた。
 いや、部下みたいなものだろうか。だって、私が命令することができるのだから。

 彼らは賢くて、従順で、働き者。どこの国でも評判がいい人気者である。
 そんな彼らと一緒に働けるなんて、まるで夢みたいだ。
 嬉しくて意気揚々とする私の足元を、優秀な彼らは、颯爽とシッポを振りながら歩いている。

 そうなのである。実は、パートナーというのは、牧羊犬なのである。しかも三匹。
 ちなみに由緒正しい血統で、犬種は、ロットワイラー、ボーダーコリー、ジャーマンシェパードときたもんだ。
 ペット雑誌で調べてみると、三匹とも、高価な値段が付けられている種類だ。

 この牧場には、現役の競走馬や繁殖用の牝馬、子馬や調教中のイヤリング(若い馬)、乗馬用の馬、そして、八十匹ほどの羊の群れと、一組の牛の親子がいる。
 これらの動物たちを、牧草地に入れっぱなしにしていると、すぐにも草地が痛んで荒れてしまうために、放牧には、動物たちを入れる順番があるのだ。

 要するに、草が青々と伸びている状態の時には、質の良い草を必要とする競走馬や繁殖馬を入れ、ある程度、草が短くなってくると、競走馬ほど運動量が多くはない乗馬用の馬を入れる。
 そのあと羊たちを放し、羊たちの後は、かなり草が短くなるのだが、まだまだ頑張って、最後に牛の親子を入れる。
 牛の親子が一週間も入れば、牧草地もほぼ根だけの状態になって、糞だらけになっているので、トラクターの後ろに糞の粉砕機を取り付けて、牧草地をならし、そして、二週間ほど土地を休ませて、また草が生えてくると、競走馬から入れるという訳だ。

『今日も牧場にすったもんだの風が吹く』 廣川まさき著

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