村田真一 2 “リアル”から“ビューティフル”へ

オーストラリアの砂漠に生息するモロクトカゲは、足で水を飲む奇妙な特技の持ち主。乾燥した砂漠に適応して、ウロコの間を伝って水を吸い上げる仕組みが進化した。オーストラリアの南西端には固有の植物や爬虫類が多い。©NHNZ

――なぜこの時期に向けてホットスポットという番組を制作したのですか?

 2つの理由があります。

 ひとつはとても単純で、去年、名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議」、COP10が開かれましたよね。日本が議長国で、節目の第10回記念だから、当然、生物多様性や絶滅危惧種をどう守るかが話題になるだろうと考えたんです。去年の10月に放送を開始するのが理想だったんですが、国際共同制作で外国のプロダクションが関係したこともあって、少し遅れて1月スタートになったわけです。

村田真一さんは、NHKスペシャル『映像詩・里山』の制作統括として活躍し、2004年に放送した第2弾の「命めぐる水辺」では、テレビドキュメンタリー賞の最高峰のひとつである「イタリア賞」を受賞している。日本を代表する自然番組プロデューサーの一人

 もうひとつは国際共同制作の流れでした。

 外国のプロダクションと手を組みながら、世界に向けて発信できる番組を作りたい。そう思って、ぼくはずっと国際共同制作に取り組んできました。2000年にまず「ワイルドアジア」を作り、2005年に「イクエイター」という赤道のシリーズを制作しました。国際共同制作で5、6本の大型シリーズを作ろうとすると、どうしても5年ぐらいはかかってしまいます。赤道のシリーズを作り終えたのが2005年ですから、その次は2010年に完成の予定になる。という流れがあって、さらに2010年にはCOP10開催という2つの事柄があり、「ホットスポット」で行こうということになりました。