いまは電話の発明家として知られるグラハム・ベルですが、その生涯を通じ、彼自身はみずからを聴覚障害者の一教師と自負していました。電話を発明する以前から、ベルはとても優秀な教師として活躍していました。協会が設立される前年の1887年3月3日、奇しくも40歳の誕生日に、ヘレン・ケラーにサリバン先生を紹介したのも彼です。その支援をベルは死ぬまで続けています。
ナショナル ジオグラフィック協会の初代会長ハバードの娘であるメイベルとベルが知り合ったのも聴覚障害者の教師だったから。つまり、メイベルはベルの教え子でした。当時のメイベルの写真を見ると、ベルが惹かれたのはもっともという気がします。彼女はとても賢かったうえ、何しろ相当な美人ですから……。
