日本人がつくった自然の森――明治神宮「鎮守の杜に響く永遠の祈り」

明治神宮の森の構想は「明治神宮御境内林苑計画」に記されている

 この地は江戸時代を通じて大名の屋敷があったところだ。そこを明治になって宮内省が買い上げ、御料地としたのである。

 神社建設地に決定した1914(大正3)年当時、この代々木御料地の周辺には荒地のような景観が広がっていた。明治神宮の職員として長く森の管理に携わってきた沖沢幸二さんは、当時の記録資料をひもときながら、次のように語る。

 「御料地になった頃、森らしい森があったのは、現在御苑と呼ばれているあたりと、旧社務所跡周辺の広葉樹ぐらいで、後は今、御社殿が建つ周囲に背の高いアカマツ林があっただけ。それ以外はほとんどが畑地や草原や沼地の荒れた土地でした」

 明治天皇を祀る神社をつくるからには、鎮守の森が必要。そこで、この“ 荒地”に森を造成することになったのである。