第1章 1888-1890 ナショナル ジオグラフィック協会誕生

第1回 『ナショナル ジオグラフィック』という雑誌

「アフガンの少女」を使った1985年6月号の表紙。最も有名なナショジオの写真のひとつです。

 のっけから初歩的な質問で恐縮ですが、みなさんは『ナショナル ジオグラフィック』という雑誌をご存じでしょうか。ネットでは検索で一気にこのページに飛ぶこともあるため、「見たことも聞いたこともない」という通りすがりの方もいらっしゃることでしょう。そんな人のためにも、まずは『ナショナル ジオグラフィック』という雑誌のいまを簡単に紹介するところからこの連載を始めたいと思います(念のために言っておきますけど、「そうだったのか!」があっても、筆者は池上彰ではありません。池上さん、書いてくれないかな……。それはさておき、雑誌の内容自体をよく知りたい人はこちらからどうぞ)。

 で、雑誌の正式なタイトルは『ナショナル ジオグラフィック日本版』。
 長い……。
 なぜこんなに長い名前かというと、直訳だから。母国のアメリカでは『NATIONAL GEOGRAPHIC』。あ、カタカナにしただけだから「訳」じゃないか。こういうケースは訳じゃなくてなんて言うんだろう……。まあつまり、そのまんまです(笑)。
 いつもフルネームで呼ぶのは大変だから、ぼくらは「ナショジオ」って呼んでいます。英語表記でも「NatGeo」。ちなみに、「ナショナル」と「ジオグラフィック」の間は半角アキです。以後、お見知りおきを。

 試しに手近にあった『ジーニアス』という辞書を開いてみると、『NATIONAL GEOGRAPHIC』の直訳は『国家の 地理的な』。ね、直訳だと日本語のタイトルにはならないでしょ。だからそのまんまなんだけど、ってことは地理の雑誌なのか?

 実はそうなんです。でも、いまに至るまでに中身のほうはだいぶ風呂敷が広がっていて、宇宙から深海まで各種取り揃えています。そのせいか雑誌のジャンルでは科学に分けられることが多いみたい。

 実際に雑誌を手にとって見ると、目を引くのは「イエローボーダー」と呼ばれる黄色い縁取りと、B5変形の微妙なサイズ。日本の雑誌の中に置くとかなり目立ちます(基本的に定期購読誌のため、書店にはあまり置かれていないんですけどね)。

 じゃあなんでその『国家の 地理的な』なる雑誌が180カ国で850万部も発行されるに至ったのか。しかも、作っているのは「NATIONAL GEOGRAPHIC SOCIETY」という世界最大級の非営利組織だったりする。それこそ、直訳したら「国土地理院」です。

 なんともユニークな組織であり、そして、雑誌である『ナショナル ジオグラフィック』。という話を、次回以降、じわじわとしていきますので、ぜひお付き合いください。

(Web編集部S)