第6回 日本とドイツではなぜコアな理系の女性が極端に少ないのか

「ひとつ思ったのは、オランダのその研究所はボスが女性なんです。やっぱり、今の時点では、女性は女性がいる研究室を何となく選ぶ傾向にあると思うんですよね。女性がやっていきやすそうな場所だと確信を持てますから。それを考えると、日本もドイツも、ボスはほとんど男性ですよね。だから、結果として、女性がいるところに女性が集まってくるみたいなことが起きているのかなと思います」

坂井南美さんによれば、彼女の分野における女性研究者の割合は、日本とドイツで極端に低いのだという。
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 坂井さんがいた東京大学大学院理学系研究科の山本智研究室は、ボスである山本教授は男性であるものの、そこに坂井さんがやってきて、助教に就任してものびのびと研究することで「女性がやっていきやすそうな場所」と印象付けられたのかもしれない。

「この場合は、私というよりも、やはり、山本先生が鍵だったと思います。私が研究しやすい環境を整えてくださり、最大限の指導とサポートをしてくださっていました。私、助教のときに出産しているんですが、報告しにいった私に山本先生は『雑務はしなくていいから、あなたにしかできないサイエンスに専念してください』と言ってくださったんです。そして、妊娠中から授乳が終わるまでの1年半から2年のあいだ、実際にいろいろな面で支えてくださったので、そういうのを見ていると、この研究室なら女性も活躍しやすい、と感じる人が続いたのではと思います」

 結局、上司の振る舞いがとても大事だという、とても当たり前の話ではある。

 とにかくそのような研究室において、坂井さんが助教だった時代には、研究員の外国人、大屋さん、他にもう一人の大学院生(現在天文台の研究員)で、教員・大学院生をあわせて8人中、4人が女性だった時期があるそうだ。

「山本研究室は物理学科でして、物理学科の女性って全体の2%くらいだと言われます。そんな中で、8人中4人、女性が揃う環境ってどれだけレアかということですよね。さらに、私の今の研究室も、女性の博士研究員が1人いて、今度採用するスタッフも3人女性なので、やはり研究室の半分が女性という環境になりそうです」

 このあたりは、坂井さんという女性が活躍している環境に、女性が飛び込んできやすいということが大いにあった(ある)のかもしれない。