移住連サイトのトップページより。(画像提供:移住連)
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 移住連のウェブサイトを見ると、キーワードとしてこんな言葉が掲げられていた。

 ここにいる、と。

 移住者であり、移民として捉えるべき人たちが、すでに、ここにいる、という意味だ。

「結局、人間として来ているわけですから、私たちの社会の中にある問題は、移住者/移民たちの中にもあるんです。例えば、私たちが充分に取り組めていないものとして、在日の人とか、中国帰国者の介護の問題があります。第1世代の高齢化が進んでいて、中国帰国者向け、在日コリアン向けの介護施設というのもでき始めています。つまり、ライフサイクルの中であらゆることを同じように経験していくことになります」

 本当に活動は多様で、それはそのまま、日本の移住者問題、移民問題の多様さそのものだ。鈴木さんが言う通り、ぼくたちの社会で見られる問題のすべてが同じようにそこにある。

 ウェブサイトにも掲載されている主要なプロジェクトの中から、鈴木さんとの話題にあがったものをいくつかピックアップする。

 まずは、女性の問題。

「国際結婚などで日本に来た移住女性は、弱い立場にあって、外国人であり女性であるという二重の意味で差別を受けがちです。DVですとか、離婚、地域での孤立、それから、『ジャパゆきさん』に始まるシングルマザーの問題ですね。さらに最近では、技能実習女性のセクハラや労働問題もありますし、介護労働者も多くなって、そこでの問題もあります」

「ジャパゆきさん」とシングルマザーというのは、とても大きな問題で、当然ながら、今では子どもたちも大きくなっている。JFC(ジャパニーズ・フィリピノ・チルドレン)と呼ばれる人たちがおり、これはつまり、日本人男性とフィリピン人女性の子どもたちという意味だ。法的な結婚をしていない場合、父親が認知しないと日本国籍をもらえず、母親とともに大変な思いをする子たちがいる。

 さらに、技能実習生が直面する問題は、セクハラなどの被害はもちろんだが、さらに先鋭化したとも言えるケースがたびたび見られる。

「技能実習生が妊娠したら、中絶するか帰国するか選択を迫られるケースは実際にあるんです」と鈴木さんは言った。

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