労働力人口が減っている日本では、「外国人材の活用」が重要になるという。

 そういえば、最近、外国から来た(と思われる)人が日本で働いている姿をよく見かけるようになった。

 ぼく自身の日常生活の範囲内で、一番目につくのはコンビニだ。徒歩圏内のとある店舗では東南アジア系の女性が、別の店舗では中東系の男性が深夜、レジを打ってくれる。「またおこしくださいませ」と流暢に言いつつ、両手をお腹に合わせて丁寧に腰を折る「コンビニ挨拶」も完璧だ。

 彼ら彼女らは、どんな立場で働いているのだろうかと気になって検索してみると、コンビニの場合は留学生のアルバイトが中心だと知った。

 その一方で、東京の私立大学で、3年間で1600人もの留学生の行方が分からなくなっているというニュースも検索にかかってくる。本来は勉学のために来日したはずの留学生たちが、大学には来なくなってどこかで就労しているらしい。近所のコンビニの留学生たちは、その点、大丈夫なのだろうかと心配になる。

 さらに、留学生たちとそれほど年齢が変わらない若者たちが、「技能実習生」として来日しており、しばしば、とてつもない低賃金で違法に働かされているというような報道も多い。各地で低賃金や賃金未払いの問題が続発していたり、暴力を受けたり、セクハラを我慢せざるを得なかったりする人たちが後を絶たないようだ。2017年の厚労省の立入検査では、技能実習生が働く7割の事業所で労働基準法が守られていなかった。そういえば、かつて「研修生」が同じようなひどい目にあう話も聞いたことがあるが、それとどう違うのか、ぼくは今ひとつよくわからない。

法務省がつくった「特定技能」の外国人向けリーフレットの表紙画像。(出典:法務省ウェブサイト)
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 今年の4月からは、「特定技能」という新たな在留資格で就労する人たちが出てきていることも報道されている。これは、14の分野(外食、宿泊、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、建設、造船・舶用工業など)で、これまで受け入れてこなかった「単純労働者」を迎え入れるものだという。

 え? すでにある「技能実習」とどう違うの? と混乱する。

 というのも、「技能実習」で問題が発生していると報道されていた事例の中には、農業や水産加工、建設といった「特定技能」と領域がかぶるものが多く、継続的に関心を持っていたわけではないぼくにしてみると、「同じ」に見えてしまったのである。

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