さて、話題がぐるりと「一周」した感がある。

 最後に、真鍋さん自身が今、注目し、力を割いていきたいと思っていることについて伺おう。

「それは、やっぱり、白亜紀末の大量絶滅のこと、K/Pg境界のことなんですが……せっかくですから実物を観ましょうか」

 真鍋さんは、常設展の中で語り合っていた席を立って、展示の一角にぼくを導いた。

「これ、2015年に、コロラド州デンバーの地層から引き剥がして持ってきたものなんですよ」と指差す。

6600万年前に恐竜が絶滅した時点のK/Pg境界を含む、コロラド州デンバーの地層。国立科学博物館地球館の地下1階にある。
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 地層の上から接着剤を染み込ませて、ほどよく固まったら、ペリペリ、ペリペリとはがして持って帰ってくるというやり方で、本物の地層をまるまる展示しているそうだ。

「注目していただきたいのは、これを見ても、K/Pg境界はここだとピンポイントで分からないですよね。昔の人は、『ここから厚い砂岩が堆積するようになって粒度が変わったので、つまり川の流れが変わったわけで、大きな変化がありましたね。そこで、ここから下は白亜紀で、ここから上を古第三紀(昔は第三紀)と呼びましょう』というふうにしてきたんですけど、今ではイリジウムを測ることができるので、目ではなかなか確認できないレベルで、本当にここだっていうふうにピンポイントで境界が分かるんですね」

 そして、真鍋さんはこの発掘現場について、こんなふうに注釈した。

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