6600万年前の白亜紀の終わりに、直径10キロ級の巨大隕石がメキシコのユカタン半島に落ちた。

 その衝突で放出されたエネルギーは、TNT火薬10兆トン分だとよく表現されている。いわゆる核兵器、原子爆弾はTNT火薬数万トン、水素爆弾でも100万トンのオーダーで、文字通り桁が違う。兵器と比較してもあまりよくわからないというならば、火力発電所用の重油1兆トンを一気に燃やしたのと同じくらいとも言えるようだけど、イメージがしにくいのには変わりない。いずれにしても、ものすごいエネルギーだということには変わりない。

 隕石が地表に衝突した直後の影響として大きいのは、まず、熱だ。落下を目撃できる範囲内の可燃物は、熱放射で自然発火し焼き尽くされたとされる。

恐竜博が開催される前だったため、常設展の会場で話を聞いた。
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 その外側でも、時速1000キロを超える超音速の熱風が吹き抜け、衝突によって溶融して巻き上げられた岩屑が赤熱したまま降り注ぎ、マグニチュード10相当の巨大地震が大地を揺るがし、300メートルを超えるような巨大な津波が押し寄せ、その後も酸性雨が降り注ぐ……この世の終わりを告げる超弩級の激甚災害が幾重にも重なって地表を蹂躙した。

 これだけでも多くの生き物を死滅させたことは間違いないが、さらに長期的な影響が追い打ちをかける。大気中に撒き散らされた塵が太陽光線を遮り、いわゆる「核の冬」の状態になる。その後、塵が地上に降り積もって日照が回復した後、今度は大量に放出された温室効果ガスの影響で、猛烈な温暖化に見舞われる。長きにわたって続く極端な環境変化で、生き物たちは追い詰められていく……。

 ざっと検索してネットで語られていることをまとめるとこんなかんじになる。

 あまりに様々なサイトに記述があるものだから、ここではナショジオサイト内のニュースを中心に、適宜、ディテールを補うかたちでまとめてみた。おそろしい宇宙規模の災害が白亜紀末の地球を見舞い、当時の生物にとってはまことに厳しい環境が訪れたことは間違いなさそうだ。

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