天の川のコラボレーションも、絶景「秩父雲海」を楽しむ

秩父雲海と天の川の貴重なコラボレーション

 満天の星と天の川が流れる秩父の夜空、眼下には優しく色づいた雲海が広がる。

撮影地:美の山公園 (C)2021 Yukihiro Kaneta All Rights Reserved
撮影地:美の山公園 (C)2021 Yukihiro Kaneta All Rights Reserved

 この写真は2021年7月12日に撮影されたものだ。雲海の出現は秋が多いが、条件さえ整えば季節を問わず見ることができる。このように夏に見ごろを迎える天の川とのコラボレーションは貴重である。

 天の川を形づくる無数の星。その輝きは淡いため、観測時は空が特に澄んでいることや月明かりが弱いことが必要で、東京をはじめとする関東平野の人工的な光の影響や秩父市街地自体の光の影響を避けた限られた方角でなければならない。

 そもそも典型的な盆地の放射霧によってできている秩父雲海は、朝に気温が下がりにくい季節は発生しづらい。それでも前日の夜までに雨が降り、日付が変わり晴れて、気温が20℃以下になっていると、7月や8月といった夏でも雲海は出ることがある。つまり、放射冷却の他、雨で地上が十分に冷やされていることも大切だ。このような条件が重なった絶好のタイミングはひと夏に数回あるかどうかなのだ。

 2022年は記録的に早い梅雨明けの発表となったが、台風4号などの影響で曇りや雨の日が増えてきている。これからの季節、雨で気温が下がれば、天の川と秩父雲海のコレボレーションを楽しめる機会もあるかもしれない。

つづく

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長谷部愛(はせべ あい)

大学卒業後、各地のテレビ局・ラジオ局でキャスター、ディレクター業を経験。気象予報士資格取得後から、TBSラジオやYahoo!天気・災害動画などメディアを中心に気象情報を伝えている。2018年からは東京造形大学特任教授として、「天気とアート」の研究の傍ら、講義を行っている。著書に『気候危機がサクッとわかる本』(著:ウェザーマップ※共同執筆)など。

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