天の川のコラボレーションも、絶景「秩父雲海」を楽しむ

撮影地:秩父ミューズパーク (C)2019 Yukihiro Kaneta All Rights Reserved
撮影地:秩父ミューズパーク (C)2019 Yukihiro Kaneta All Rights Reserved
 

 もう5年ほど前になるだろうか、SNS上に美しい写真が流れてきた。まるで宝石が散りばめられているような色とりどりの光に満ち溢れた不思議な光景だった。これこそ、今回ご紹介する「秩父雲海」である。埼玉県西部に位置し、四方を山に囲まれた秩父盆地に出現する雲海のことだ。

 そもそも雲海とは、山や飛行機などから見下ろした時に、一面に広がる海のように見える雲のこと。古くから親しまれている自然現象で、たとえば浮世絵師の葛飾北斎は「富嶽三十六景」の中でも雲海を度々描いている。私も長野県の浅間山で見たことがあるが、分厚い雲でできた真っ白な雲海が眼下に広がる荘厳さに心を奪われた。

 日本には雲海が発生する有名な場所がいくつもある。たとえば兵庫県の竹田城跡は、山頂の石垣が雲海にぽっかりと浮かぶように見える様子から「天空の城」「日本のマチュピチュ」と呼ばれ、話題になったのも記憶に新しい。愛媛県の石鎚山では、雲海が滝のように山の背を駆け下りていくダイナミックな現象「滝雲」 が有名だ。

 このように日本各地で見ることができる雲海は絶景の宝庫といえるものばかりだが、今回紹介する秩父の雲海は他とは違った風情がある。

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