あなたの知らないカナダワイン

ワイナリーのトラックに描かれた「オゴポゴ」
[画像のクリックで拡大表示]

 オカナガンは太古の昔、氷河が大地をえぐりとって作り出した渓谷だ。南北に細長く広がるオカナガン湖の周囲を傾斜地が取り囲み、その先に小高い山々が連なっている。青い湖と空、そして傾斜地いっぱいに広がるブドウ畑の緑が織り成す光景から、オカナガンは「世界で最も美しいワイン産地」とも呼ばれている。

 世界レベルのワインが生み出されるようになると、それに合うおいしい料理を、とばかり、オカナガンにはいいレストランができ、周辺の農家も質の高い野菜を育てるようになった。だからここで食べる食事は本当においしいし、ワインもぐいぐいすすんでしまう。

 さて、ここで1つ大事な情報がある。オカナガン峡谷の中心をなすオカナガン湖には、「オゴポゴ」なる未確認生物が生息しているという。僕が取材したワイナリーのトラックにも、ドラゴンのような姿をしたオゴポゴの絵が描かれていた。

 ネス湖のネッシーみたいなものだろう。ただしネッシーとの最大の違いは、ワインをたくさん飲んで泥酔しないとオゴポゴを見ることはできないという点だ。

 僕もオカナガンで絶品ワインをそこそこ飲んだのだが、残念ながらオゴポゴに出会うことはできなかった。しかしよく考えると、そもそも未確認生物であることに加え、泥酔した人しか見られないのだから、その目撃情報の信ぴょう性は極めて低いといえる。

 仕方がない、またオカナガンに行ってもっともっと泥酔し、自らオゴポゴの存在をこの目で確かめるしかない。これだけカナダにこだわって取材をし、原稿を書き、講演までしているこの僕が、オゴポゴがいるのかどうか分からないなんて、恥ずかしすぎるというものだ。

この連載はカナダ観光局の提供で掲載しています。

著者 平間俊行(ひらまとしゆき)

ジャーナリスト。1964年、宮城県仙台市生まれ。報道機関での勤務のかたわら、2013年から本格的なカナダ取材を開始。歴史を踏まえたカナダの新しい魅力を伝えるべく、Webサイトや雑誌などにカナダの原稿の寄稿を続ける。2014年7月『赤毛のアンと世界一美しい島』(マガジンハウス)、2017年6月『おいしいカナダ 幸せキュイジーヌ旅』(天夢人)を出版。

おすすめ関連書籍

カナダの謎

なぜ『赤毛のアン』はロブスターを食べないのか?

知らなかったカナダの魅力を、深く、わかりやすく楽しむ。この本を読むと、絶対にカナダに行きたくなる! 〔全国学校図書館協議会選定図書〕

定価:本体1,200円+税